とても細かい子宮頸がんの日記。

子宮頸がんと診断されてからのあれこれをひたすらに細かく。

抗癌剤治療の確定

2015年6月4日。

主治医の先生よりお電話。

病理の結果が出たがやはり化学療法が必要、とのこと。
「当初予定していた明日の診察は無しで良いですよ。入院当日に詳細をお話しますので」と言われました。
それは助かるお話。

そして入院は、6月10日と決まりました。
大きな手術になればなるほど麻酔科医師や看護師や手術室の空き状況など様々な兼ね合いがあり、なかなか日程を動かすのは難しいことのようです。
先生のお電話ののち少しして、事務担当の部署より改めて電話連絡が。
6月10日、10:30に7番受付へお越しください、とのこと。
そういえばと思い日数の目安を尋ねてみたものの、細かい部分はまったくご存じない様子。
事務は事務。なのですね。

翌日父に連絡し、にゃんこをしばらくお願いすることに。
心なしか嬉しそうな父(笑)。

この少し前が実は誕生日だったのですが、友人からプリザーブド・フラワーをいただきました。
(お見舞いなどを断り続けているので)病院へ持って行ったら、と言われる。うん、そうする。毎回そうする。
気持ちが沁みます。本当にありがとう。

そういえば友人たちが湯治によい、癌に効く温泉などをどんどん教えてくれる。
でも、じつはしばらくダメなんですよね。
気を遣わせることばかりで本当に申し訳ない…。
リンパ浮腫(蜂窩織炎)予防のため、雑菌の多い温泉やプールもできるだけ避ける必要がある、と言われています。
これが婦人科系の癌で湯治をあまり聞かない理由かも?
あとは、抗癌剤放射線治療で脱毛していたり、手術の大きな傷痕があったり、さまざまなポートがついていたり…そういった部分を見られることに抵抗のあるひとも多いのではないでしょうか。

でも私は、抗癌剤治療が終わって免疫力も相当に戻ったと思えた暁には、どんどん旅に出たりしちゃうつもりでいます。

退院後の生活 その4

2015年5月29日。

手術以来初の会社出勤、そして実家へ。
いくつかもっている仕事のうち、こちらは家業の手伝いのほうです。
ごくごく小規模のリフォーム会社といいますか設備屋さんでして。経理をみたり、多少の書類仕事や図面作成など。
体力的には夕方までなんとかなりましたが、でもずっと座って同じ姿勢を続けているとやはり下腹部から鼠径部が腫れて痛み、脚も浮腫むので、頻繁に立ちまわるなど気を遣いました。
夕方にはぐったり。

この夜抗癌剤治療の話をすると、父がかなりショックを受けていました。
手術ですっかり終わったと思っていた、と。

さらなる心配をかけて本当に申し訳ない…。
医師の言うまま抗癌剤を受け入れるのではなく、免疫療法を受ける気はないのか、とまで言われました。
母のときの経験から、抗癌剤には相当な抵抗感があるのはわかります。
でも話がいきなり進みすぎだし、そんな費用は支払えないし。

そこで胃癌で27年前に亡くなった母のときのことを、今まで避けていた部分も含めてぽつぽつと聞き出してみましたが、薄々感じていたことながら、父の中では相当に事実が物語と置き換わっているようでした。
当時の私達家族や本人や医師らの選択、説明に疑問をもつ点も多くあり…。
でもそれはいまさら言っても仕方がないし、当時といまとではまったく状況も違う。何もかもといっていいくらい違う。
まして当時は癌などの場合、本人へ告知をしないことが前提でした。
医師が家族と間違えていきなり本人に「癌ですからねえ」と伝えてしまう…というすごい事故もありましたが、最期まで母は、自分は癌だと知らないことになったまま、亡くなりました。

母は本当になにも言わずにいなくなってしまった…と、改めて思い出すたびに切なく感じます。

さて術創部分の痛みはどんどん軽くなったけれども、時折猛烈に痒いです。
特にドレーンをとっていた両方の下腹部の痕。
それと縫い目がかかるお臍の部分はときどき浸出液がみられます。
ぐりぐりお掃除したいけれども、まだ我慢我慢。

退院後の生活 その3

2015年5月27日。

朝から出血。
少ないけれど、一瞬生理がはじまったかと思うくらい。
しかし夜にはおさまっていました。
そして看護外来で「まったく問題ありません」と豪語した翌日だというのに、左の鼠径部から陰部にかけて大きく腫れました。
痛みも少し強い。
リンパマッサージを丁寧におこない、こちらも夜には少しずつ引いていきました。
昨日外来受診のため歩きまわったせいかもしれません。

調べてみると、子宮を全摘した方でも後年時折出血のみられる場合があるとのこと。
処分しようとしていた衛生用品は、もう少し置いておこうと思いました。

リンパ浮腫の前触れだとすれば、雑菌や虫刺されには本当に気をつけなければ。季節を問わず外出したらうがい手洗いは必須、マスクもできるだけ着用。そうはいってもなかなか…仕事が始まったり、真夏は、きついだろうな。
雑菌の多い温泉やプールもできるだけ避ける必要がある。
これが婦人科系の癌で湯治をあまり聞かない理由かも。
浴場で傷痕を見られることに抵抗のある人も多いだろう。
特に抗癌剤がはじまれば、全身脱毛してしまうのだし…。

 

看護外来

2015年5月26日。

主治医の先生の指示でよくわからないままに予約をとった、看護外来。
これは緩和ケア科の扱いになるのだそうです。

受付で経緯を話したにもかかわらず1時間ほど待たされた挙句、まったく通じていない。うーむ。

要はリンパ浮腫の脅威についてのおさらいと、マッサージの復習や意識、手技の確認。
着圧ストッキング購入のおすすめ、でした。

でも私の場合は入院中に練習の成果が認められていたし、浮腫の問題も出ていない状況なので、当日担当してくださった看護師さんの判断では現時点で受診の必要はないとのこと。
丁寧でこちらの気持ちを考えてくださる方でした。
「たぶん先生のことだから(このフレーズ、何度も聞いております)、患者様がお若いので絶対にリンパ浮腫を発症させないようにという強い思いがあるのでしょう。
でも、現時点でほとんど浮腫の症状もないということですし、当面は医療用の高額なタイツ(2万円くらいします)などを買わなくてもいいと思います。手技も問題なさそうですよ」
と言っていただいたので、有難く購入は控えておくことに。
一般に見かける着圧ストッキングでもそれなりの効果は期待できるそうです。
しかも配慮がされたものか、お会計は不要と言われました。
疲れたけども、まあ有難い…のかどうかよくわからない受診でした。

ところで近日お通じが順調なので、腸を動かすお薬のセンノシド、の服用をそろそろやめてみることにしました。

退院後の生活 その2

朝、夕方などにはしばしば下腹部が腫れてかなり痛みを感じました。
ずっしりと重い痛みのなかにときどき「ズキッ」「ピリッ」と疼くのがつらい感じ。
これが、骨盤内のリンパ節を郭清してしまったために起こる滞留や何かの副作用だったのだと思われます。

指導されたリンパマッサージを、私はそれはそれは真面目に毎日おこなっておりました。お風呂あがりにクリームなどを塗ったりしながらというやりかたでした。
自分自身で自分の身体のケアをしているんだ、ということも気持ちの張りになった気がします。

「乳幼児と違って大人なのですから、誰も細心に面倒をみてくれるわけではありませんからねー」と、看護師さんからも言われておりました。

痛みと火照りで眠れない夜、一緒に暮らすにゃんこに心配されたりもしました。
いつも足元にいるのが枕の横にやってきて、ゴロゴロ言いながら舐めてくれたりするんですよね。猫様的には「うめき声や寝返りがうるさいし薬臭いなー、早く寝てくれないかなー」という感情の顕れだったかもしれませんが。うう…。

でも少しずつ少しずつ、ストレッチに近いことをしてみたり(痛みに悶えてみたり)、キッチンに立って簡単な料理をしてみたり(冷えがたいへんなことになったり)、日常に戻ってゆく感じを嬉しく感じてもいました。

がんばろう、がんばろう、って思っていました。